Combating Multi-site Complexity with Centralization

 複数のサイトをインストールして運営している場合、最大の課題は、運営の複雑さでしょう。

 複雑さに対する最善の対処法の1つとして、全体的な一元化があります。コンテンツを1つの中心地にまとめておけば、組織はコンテンツの効力を共有し、再利用できます。

 とはいえ、一元化にはコンテンツよりもはるかに大きい影響力があります。コンテンツマネジメントシステム (CMS) の利用者の他、マルチサイトネットワーク内のサイト訪問者全体に影響します。また、サイトの速度や流動性にも影響を及ぼし、それによってコンテンツが評価されたり受け入れられたりすることになるのです。

 それぞれについて個別に見ていきましょう。

コンテンツの共有と再利用

 コンテンツというものは得てして、複雑に統制が取れなくなってしまうものです。特に、常にコンテンツが大量生産されている場合には、そうなってしまいがちです。マルチサイトの運営にあたっては、記事や画像といったコンテンツを、同じリポジトリに保存しておくことが最も重要です。それを怠る組織は、いずれ自ら墓穴を掘ることになります。

 コンテンツが隔離されてしまうのです。

 例えば、あなたの組織が、運営するマルチサイト内の会社概要文を更新しようとしているとしましょう。概要文が共有リポジトリに保存されていれば、更新しても問題ありません。しかし、概要文が同じリポジトリになければ、それぞれのサイトの概要文を手作業で更新する必要が生じます。管理しているサイトが1つや2つであれば、あなたは「それがどうした」と言われるかもしれませんが、現実としては、マルチサイトを運営する組織の多くは、何十ものサイトを運営しています。ですから、一元化されていないコンテンツは、大きな問題になるのです。

 問題を解決するのに、特別なツールは必要ありません。それよりも、コンテンツの共有をもっとも効果的に行うための、明確なルール作りが肝心です。もちろん、複数のサイトでコンテンツを共有するには、共有リポジトリの管理ツールも必要です。ですから、技術も全く軽視してはいけません。

  • 最善の方法は、組織によって異なりますが、いくつか注意すべき点があります。
  • 再利用の可能性に備えて、他サイトのコンテンツを確認し検索できるよう、編集許可をすること。
  • 全体で再利用し、全ブランドで一元的に管理すべきコンテンツ (会社概要、著者略歴など) を定めること。
  • ニュース、ブログ、写真、イラストなどの異なるメディアで共用できる一連のコンテンツについて、ルールを定めること。
  • グループ企業とコンテンツを共有する領域を設けること。
  • 全てのサイトにおいて正確かつ適応性のあるメタデータを利用できるよう、堅実で多次元的な分類法を設けること。

 全てのサイトに関して、一元的な分類法を定め、それを維持すれば、コンテンツを共有することになった時に非常に役立ちます。そのためには、編集ユーザーが、全てのサイトで同様に適切なメタデータを使い、コンテンツの価値を高められるようにしましょう。

 豊富なメタデータがあれば、ユーザーはそれぞれのサイトのコンテンツによりアクセスしやすくなり、一般的に、はるかにコンテンツの利用者が増えるでしょう。

階層化されたユーザー情報の管理

 多数のサイトをそれぞれ異なる部門が運営しており、しかもそれぞれに多数の編集ユーザーがいる場合を想定してみてください。新しい編集ユーザーを追加したり、ユーザーアクセスを管理したりといった単純業務は、適切な委任体制が整っていないと、極めて煩雑な業務になるおそれがあります。よくある例は、この管理を1つの部門で一括して行うことです。この部門が、部門や役割に関わらず、全てのユーザーの管理責任を持つのです。

 この手の管理法がうまくいくのは、扱うユーザーが10人から50人ほどの場合に限られます。20のサイトに分かれた500人のユーザーを管理する場合には、効果的ではありません。

 ユーザーデータを階層化して管理するために重要なことは、一元的なコントロールを維持しながらも、管理を委任することです。eZでは、ユーザー、ユーザーグループデータ、パーミッションを、それぞれ、役割として明確に区別します。

 これから、それがどのように行われるかを分かりやすく説明します。

 ユーザーとユーザーグループは、それぞれの役割のパーミッションやアクセス権を定める方針の内容から、完全に分離されます。その後、役割が直接、ユーザーやユーザーグループに割り当てられるのです。

 このようにセットアップを行えば、異なる役割を定義できます。例えば、:

全体管理者:

  • 編集ユーザー、訪問者、顧客それぞれに対するパーミッションを定義する
  • ユーザーグループの組織を作成する

部門管理者:

  • 1つの部門のローカル編集ユーザーを作成し管理する責任を負う
  • 編集ユーザーができることに関するパーミッションの修正はできない
  • コンテンツを作成できる

編集ユーザー:

  • 決められたセクション内で作成するコンテンツに関する責任を負う

 以上が、どのように責任を委任するかについての簡単な説明です。こうすることで、ある部門のユーザーを最新の状態 (例えば、最新の雇用および退職状況) に保っておくことができます。なおかつ、中央統制を保つことができます。部門管理者が修正の権利を持ちつつも、全体管理者は、単独での管理権を持っているからです。

訪問ユーザーの管理

 最近では、ほとんど全てのサイトに、なんらかの形でユーザーが働きかける要素があります。例えば、サインインして記事にコメントしたり、コンテンツに投票したり、リンクを投稿したり、コンテンツや商品を購入したりといったことです。これは、マルチサイトの環境では、ユーザー管理が明確に定義づけられていないと、あっという間に混乱してしまいます。

 あなたのセットアップでは、あるサイトに登録したユーザーは、自動的に他のサイトにもアクセスできるようになりますか? 共有ユーザーの登録は、1つだけですか?

 どんな時でも、唯一の決まった解決策はありません。一般的に、どんな顧客や訪問者を求めているかによります。

  • 全てのブランドおよびサイトで1つのユーザーネーム
  • 全てのサイトに同時にログインできる1つの登録
  • ユーザープロフィールが全てのサイトで認証されるため、プロフィールを編集すれば、マルチサイト全体に反映される

 マルチサイト環境のサイト所有者であれば、次のようなことを求めるでしょう。

  • ユーザーがサイトのどのコンテンツにアクセスしたかを管理すること
  • それぞれのサイトで許可される操作を定義できること
  • ユーザーがサイトごとの設定を行えるようにすること

 ユーザーデータがそれぞれのサイトで同等に利用されるように定めるなら、データを最大限に活用する良い機会です。ユーザーデータは、ユーザーリポジトリに一元的に保管できます。ここには、名前や住所、全体設定といったユーザーの個人情報が保管されます。この種のデータが、一元化されたユーザーリポジトリの主な要素です。

 つまり、ユーザーはコンテンツマネージメントシステム (CMS) を利用しますが、一方で、LDAPリポジトリやSalesForceといった別のシステムで、基本記録を保持できるのです。また、FacebookやTwitterなどのソーシャルネットワークを使った登録の一元化もできますが、これはサイドトピックとして別の日に取り上げます。

 また、それぞれのサイトで、次のようなローカル設定ができる必要があるでしょう。

  • コンテンツパーミッション
  • 機能的パーミッション
  • ローカルパーミッション

 マルチサイト環境におけるユーザーの共有は、必ずしも複雑な問題ではありませんし、うまく処理されることもあります。ですが、マルチサイトのセットアップを考える場合、必ず注意を払うべき問題でもあります。なぜなら、基本設計の段階で取り組まなければ、非常に大きな問題になってしまうからです。

コンテンツの承認

 コンテンツビジネスに携わる誰もが知っておくべきことが1つだけあるとすれば、これです: 評価と承認には時間がかかること。コンテンツの承認が必要なサイトがたくさんある場合、すぐに承認のためのローカルキューにせき止められ、閉口してしまうことでしょう。

 一元化された概観や統制なしでは、ワークフローは最終的に摩擦を起こし、動作が遅くなってしまうのは避けられません。その結果、承認を急ぐあまりコンテンツの品質が低下したり、コンテンツを完成させるモチベーションが欠落してしまうことになります。

 ですから、ローカルブランドサイトを立ち上げる前に、それぞれのコンテンツを法的に見直す必要があることを想定しておきましょう。承認プロセスが能率的であることを確認し、そして現状を視覚的に概観できるようにしておくことが大切です。そうすれば、承認待ちのコンテンツに対処したり、再定義しやすくなるはずです。もちろんこれは、適切な各パーミッションを持つ場合の対策です。

 次に紹介するのは、一元化されたコンテンツの承認に関する、すぐに使えるヒントです。:

  • 作成したコンテンツと、それらの承認プロセスでの現状を表示する、一元化されたダッシュボードを作ること
  • 承認待ちのコンテンツと、承認待ちの期間を全体に公表すること
  • 再定義したり行動を起こせる体制を整えること
  • 承認を必要とするコンテンツをプレビューしたりレビューするため、すぐにアクセスできるようにすること

 コンテンツの承認を必要としている場合、そのコンテンツをできるだけ単純化することが大切です。ワークフローは、正しい使われ方をしないと、すぐに障害になりえます。私がいつも心がけているのは、全体の監督を続けながらも、可能な限りワークフローを単純化することです。

 お分かりになったと思いますが、一元化にたどり着くこと自体が、複雑な挑戦になることもあります。ですが、全く一元化しなかった場合ほどの複雑さを招くことは、決してありません。

 部門のプロジェクトの発足を考えている方で、いまだに同僚に相談するつもりも、一元化を導入するつもりも無い方はいますでしょうか? もしいらしたら、その理由をぜひお聞かせください!

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